国際的な人的往来の円滑化に向けて

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研究概要

 日本政府は、新型コロナウイルスオミクロン株への対策として昨年11月から強化していた水際対策を、2022年3月1日より一部緩和し、観光を除く外国人についてはおよそ3か月ぶりに入国が再開されました。


また、入国後、宿泊施設や自宅などでの待機措置についても、3回目のワクチン接種を終え、オミクロン株の広がりが見られない非指定国からの入国の場合は一切免除となりました。
(現在指定国・地域は6か国のみ)

 一方で、厳格な検疫措置を維持するとの観点から、未だ1日あたりの入国者数の上限が課されており(4月10日以降7000人→10000人に引き上げ)、ビジネス目的など3か月以下の短期滞在者や、留学生・技能実習生などの長期滞在者は、受け入れ先の企業や大学などが事前にオンライン申請し、ビザの審査を受ける必要があります。

 欧米はじめ、タイやシンガポールなどの一部の東南アジア諸国においては、入国者数に制限はなく、検査や事前の陰性証明書取得、隔離期間等の点でも、日本に比べ条件が大幅に緩い状況にあります。

このまま日本での厳しい水際際対策が長期間続き、日本訪問を希望する外国人が減少することで、労働力不足や観光業の衰退などによる日本の国際競争力低下といった事態にも発展しかねません。

 運輸総合研究所では、水際対策緩和に向け、これまで2021年6月25日に第72回運輸政策セミナー「 ワクチンパスポート・トラベルパスを巡る最新の動向」を開催し、7月12日にこの内容を踏まえた 「デジタルワクチンパスポート」導入に関する提言を、また11月22日には、 「水際対策」等について早期の「更なる見直し」を要請~「デジタルワクチンパスポート」導入に関する提言に 進捗検証結果を追補~ を発信してきました。

 今般さらなる規制緩和に向け、官民における取組の一助となることを目的に、水際対策に関する国内外の動向などの関連する情報をHP上で公開することとなりましたのでお知らせします。



日本国における新型コロナウイルス感染症に関する新たな水際対策措置(令和4年5月17日時点)



●入国後の自宅等待機期間の変更
滞在歴 有効なワクチン接種
証明書
0日目
入国日
1~3日目 4~7日目
指定国・地域
滞在歴あり
なし 検疫で検査 ・検疫所の宿泊施設で待機
・3日目退所時に施設で受ける検査結果が陰性であれば、待機期間終了
待機なし
あり
(指定のワクチンを3回接種したことが確認できるもの)
検疫で検査 ・自宅等で待機
(3日目以降に自主検査しない場合)
検疫で検査 ・自宅等で待機
・3日目以降に自主検査し、陰性結果を入国者健康確認センターに届出
待機終了のお知らせにより待機期間短縮
指定国・地域
滞在歴なし
なし 検疫で検査 ・自宅等で待機
(3日目以降に自主検査しない場合)
検疫で検査 ・自宅等で待機
・3日目以降に自主検査し、陰性結果を入国者健康確認センターに届出
待機終了のお知らせにより待機期間短縮
あり
(指定のワクチンを3回接種したことが確認できるもの)
検疫で検査 ・待機なし
★1日の入国者数上限:10,000人


検疫所の宿泊施設での3日間待機措置の対象国・地域(6か国)

     エジプト、パキスタン、ロシア全土、ブルガリア、ラオス、南アフリカ共和国


厚生労働省ホームページ

NEW   ● 水際対策に係る新たな措置について
       ・ 2022年5月20日 水際対策強化に係る新たな措置(28)
                 水際対策強化に係る新たな措置(28)Q&A

     ● 入国者向けご利用ガイド一覧



出典:厚生労働省



主要国における水際対策一覧(令和4年5月17日時点)



  入国 ワクチン
接種証明書
事前検査
陰性証明書
隔離 入国後検査 1日あたりの入国者数上限 関連リンク先
米国
〇2回 〇24時間以内 なし なし なし CDC(米国疾病予防管理センター)HP
イギリス
なし なし なし なし なし 英国政府HP
フランス
〇2回 なし なし なし なし 駐日フランス大使館HP
タイ
〇2回 なし なし なし なし 駐日タイ大使館HP
シンガポール
〇2回 なし なし なし なし シンガポール政府HP
韓国
〇2回 〇48時間以内 なし 8日以上滞在の場合 なし 駐日韓国大使館HP
中国
〇+抗体検査陽性 〇14日間 なし 駐日中国大使館HP
日本
〇3回 〇72時間以内 指定国であり あり 10,000人 厚生労働省HP
▲:海外旅行者に入国制限あり


外務省 海外安全ホームページ

   ● 新型コロナウイルスに係る日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国に際しての条件・行動制限措置



水際対策措置等に対する関係機関からの提言(国内)



●一般財団法人 運輸総合研究所

   ① 2021年6月25日「第72回運輸政策セミナー ワクチンパスポート・トラベルパスを巡る最新の動向」
   ② 2021年7月12日「 デジタルワクチンパスポート導入に関する提言」
   ③ 2021年11月22日「 デジタルワクチンパスポート」導入に関する提言に 進捗検証結果を追補


●一般社団法人 日本経済団体連合会

     2021年3月15日 次なる波に備えつつ、出口戦略に舵を切れ─新型コロナウイルス感染症対策に関する提言─


一般社団法人 日本旅行業協会  ●公益社団法人 日本観光振興協会

    2022年5月12日 「水際対策緩和に関する要望書」


●観光庁

     2022年5月17日 今後の訪日観光再開に向けて必要な検証をするための実証事業の実施



水際対策措置等に対する関係機関からの提言(海外)



●IATAホームページ プレスリリース

   ① 2022年2月17日 IATA事務局長、「今こそ渡航制限を撤廃する時」
   ② 2022年2月22日 Airports & Airlines、EUへの渡航に関するEU理事会の新勧告を歓迎
   ③ 2022年3月11日 ACIヨーロッパとIATA、EU域内の残りの渡航制限の撤廃を要請
   ④ 2022年3月17日 世界を旅に開放する取り組みの進展
   ⑤ 2022年5月17日 IATA、アジア太平洋地域各国政府に渡航制限のさらなる緩和を要請
            IATA事務局長、中国と日本に渡航制限の緩和を要請


●米国旅行業協会

     2022年2月26日 米国旅行協会、米国政府に旅行に関するCOVID-19措置の緩和を要請


●Airlines for America

     2022年5月10日 A4A社長兼CEOのニコラス・カリオ氏、出国前のCOVID-19検査義務の撤廃を要請