観光を活用した持続可能な地域経営に関する研究
- 観光
研究期間：2020 - 2021
（小泉 誠 ～ '22年6月） （安田 智子 ～ '22年3月） （一森 純二 ～ '22年3月） 菅生 康史 （高橋 慶江 ～ '22年3月） （新田 裕樹 ～ '23年3月） （松岡 美沙子 ～ '22年9月） （マハルジャン ラジャリ ～ '23年7月） （川上 洋二 ～ '23年7月） （竹島 晃 ～ '24年3月） （根本 早季 ～ ’21年3月） （細野 晃 ～ ’20年9月） （岩田 賢 ～ ’20年7月） （齋藤 悠 ～21年6月）
研究概要
本格的な少子高齢化の進行、厳しい行財政状況、SDGsの達成に向けた取組みの実施・推進等への対応という社会的要請があるなか、持続可能な地域経営を行っていく必要性が高まっている。持続可能な地域経営を図っていこうとする際、交流人口増・関係人口増に資する、地域独自の資源を活用できる等の特性を有する観光分野から取り組んでいこうとすることは多くの地域にとって有効な方策になるものと考えられる。
そのため、運輸総合研究所では、2020年度より、「観光を活用した持続可能な地域経営の推進に関する調査検討委員会」（座長：山内 弘隆 運輸総合研究所所長）を設置して、観光を活用した持続可能な地域経営の普及・促進を図るため、国内外の観光を活用した持続可能な地域経営を実施している地域に関する調査分析、全国各地の自治体・DMO等からの意見聴収等も行いつつ、観光を活用した持続可能な地域経営に関する手引きを策定することを目的として調査研究を行った。成果
◆「観光を活用した持続可能な地域経営の手引き」（2022年３月22日公表）
https://www.jttri.or.jp/kanko_tebiki.pdf
（手引き概要）
2022年3月に、国内外の事例調査分析、全国各地の地方自治体・DMO等からの意見聴取結果等、委員会での議論を踏まえて、「観光を活用した持続可能な地域経営の手引き」を運輸総合研究所設置の委員会において取りまとめた（2022年3月22日公表）。本手引きは、運輸総合研究所、国連世界観光機関（UNWTO）駐日事務所、観光庁が連携した取組みとして作成したものであり、地方自治体・DMO等において「日本版持続可能な観光ガイドライン（JSTS-D）」(観光庁、UNWTO駐日事務所)と相まって活用いただくものとなっている。本手引きは、持続可能な地域経営を図っていく上で観光を活用していくことの意義・重要性の理解を深めていただくとともに、観光分野としてどのように進めていくべきかについて、必要なノウハウ・スキルに加え、取組みの進め方に関する手順・ステップなど実践的な方法を示したものとなっている。概要は以下の通りである。
（１）観光を活用した持続可能な地域経営の意義・重要性
失われた20年あるいは30年を経て、地域で活用できる人、モノ、金、また豊かな文化や自然環境が十分でなくなりつつある。また、カーボンニュートラル対応等も不可欠となっている。住民の生活の質（QOL）を向上させ、住み続けたくなる地域であるためには、これらの課題を地域の限られた資源で、多様な利害関係者の力を集結して解決しなければならない。そのためには、地域のすべての側面を対象として総合的に地域の課題に取組み続ける持続可能な地域経営を行っていく必要がある。
観光は、裾野が広く、地域の人材・資源・産業を有効に活用できるという特徴を有している。地域の観光振興のためには、産業振興という経済面だけではなく、観光客と住民の調和の確保や文化資源の保全・確保、また自然環境の保全・活用が必要となってくる。また、観光は、地域に貢献する交流人口・関係人口を生み出しうる取組みであり、こうした外部からの評価を得ることで「地域への誇り（シビックプライド）の醸成」を図ることもできるものである。このように、そもそも観光は総合政策的性格を有するものであり、持続可能な地域経営に取り組むに当たって好適な政策分野であるといえる。地方自治体等が持続可能な地域経営を進めていくための切口として、観光を重要施策・柱と位置付け活用し、総合的に地域課題の解決を図っていくようにすることの意義・重要性は大きいものがある。
（２）観光を活用した持続可能な地域経営の取り組み方
観光を活用した持続可能な地域経営はPDCAサイクルを回すことによって行われるものである。地域のなりたい姿を共有し、なりたい姿を実現するための課題の抽出、課題解決の取組みの検討・実施、指標を活用した効果測定、そして、結果のフィードバックを実行することで進めるものである。
このＰＤＣＡサイクルの具体的進め方として、国際基準に準拠しつつ、下図に示す１１のステップを標準型として示している。
調査検討委員会の開催状況
2020/9/25 「持続可能な観光地域経営の推進に関する調査検討委員会」＜第１回＞を開催しました
【配布資料等】
・ 議事次第
・ 委員名簿
・ 資料１ 「 持続可能な観光地域経営の推進に関する調査検討委員会の設置について 」
・ 資料２－１「 持続可能な観光の推進に向けた観光庁の取組（日本版持続可能な観光ガイドライン） 」
・ 資料２－２「 持続可能な観光地域経営の必要性 （参考資料を含む） 」
・ 資料３ 「「指標を用いた持続可能な観光地域経営の導入に関する手引き」について 」
・ 資料４ 「 今後の作業計画・スケジュール 」
【議事要旨】
2020/11/25 「持続可能な観光地域経営の推進に関する調査検討委員会」＜第２回＞を開催しました
【配布資料等】
・ 議事次第
・ 委員名簿
・ 資料１ 「 持続可能な指標型観光地域経営の事例調査結果 」
・ 資料２－１「 「持続可能な指標型観光地域経営の手引き」と他指標体系の比較 」
・ 資料２－２「 「持続可能な指標型観光地域経営の手引き」骨子案 」
・ 資料３ 「 全体及び骨子案に対する委員の皆様からのご意見 」
・ 資料４ 「 今後の作業計画・スケジュール 」
・ 参考資料 「 「G20 観光大臣宣言」(10/７)における持続可能な観光地域経営の重要性について 」
【議事要旨】
2021/2/17 「持続可能な観光地域経営の推進に関する調査検討委員会」＜第３回＞を開催しました
【配布資料等】
・ 議事次第
・ 委員名簿
・ 資料１ 「 持続可能な指標型観光地域経営の事例調査結果[最終版] 」
・ 資料２ 「 全体及び骨子案に対する委員の皆様からのご意見 」
・ 資料３ 「 「持続可能な指標型観光地域経営の手引き」骨子案[更新版] 」
・ 資料４ 「 今後の作業計画・スケジュール 」
・ 参考資料 「 「持続可能な観光地域経営の推進に関するシンポジウム」レポート 」
【議事要旨】
2021/6/14 「持続可能な観光地域経営の推進に関する調査検討委員会」＜第４回＞を開催しました
【配布資料等】
・ 議事次第
・ 委員名簿
・資料１ 「観光庁における取組と成果」
・資料２ 「2021年度の調査研究の方針について」
・資料３ 「「持続可能な指標型観光地域経営の手引き」案」
・資料４ 「持続可能な指標型観光地域経営の事例追加調査結果（第一弾）」
・資料５ 「関連するISO規格等について」
・資料６ 「手引きに対する委員の皆様からのご意見」
・資料７ 「今後の作業計画・スケジュール」
【議事要旨】
2021/9/8 「持続可能な観光地域経営の推進に関する調査検討委員会」＜第５回＞を開催しました
【配布資料等】
・ 議事次第
・ 委員名簿
・資料１ 「「持続可能な観光地域経営の手引き（案）」の概要」
・資料２ 「「持続可能な観光地域経営の手引き（案）」」
・資料３ 「手引き（案）に対する現場意見」
・資料４ 「事例調査結果（第二弾）」
・資料５ 「手引き（案）に対する委員のご意見」
・資料６ 「今後の作業計画・スケジュール」
【議事要旨】
2021/12/20 「持続可能な観光地域経営の推進に関する調査検討委員会」＜第６回＞を開催しました
【配布資料等】
・ 議事次第
・ 委員名簿
・資料１ 「運輸局ブロック別セミナー及びシンポジウムについて【結果報告】」
・資料２ 「「観光を活用した持続可能な地域経営の手引き」案の更新箇所」
・資料３－１「「観光を活用した持続可能な地域経営の手引き」（案）」
・資料３－２「早わかり「観光を活用した持続可能な地域経営の手引き」」
・資料４ 「今後の作業計画・スケジュール」
【議事要旨】
2022/3/3 「持続可能な観光地域経営の推進に関する調査検討委員会」＜第７回＞を開催しました
【配布資料等】
・ 議事次第
・ 委員名簿
・資料１ 「観光を活用した持続可能な域経営の手引き」(案)
・資料２ 「観光を活用した持続可能な地域経営の手引き 入門ガイド」(案)
・資料３ 第6回持続可能な観光地域経営の推進に関する調査検討委員会等での主なご指摘と対応案
・資料４ 「観光を活用した持続可能な地域経営の手引き」の活用について
・参考 持続可能な観光推進モデル事業
【議事要旨】
シンポジウムの開催
観光を活用した持続可能な地域経営の普及・促進に関するシンポジウム
日時：2021年12月8日（水）13:30～16:30
場所：ベルサール御成門タワー＋オンライン配信
持続可能な観光地域経営の推進に関するシンポジウム
日時：2020年12月21日（月）13:30～16:30
場所：ベルサール御成門タワー＋オンライン配信