IoTと物流に関する国際セミナー
- 物流・ロジスティックス
主催 | 一般財団法人運輸総合研究所 |
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日時 | 2017/3/6(月)14:00~18:00 |
会場・開催形式 | ホテルメトロポリタンエドモント「悠久の間」 (東京(飯田橋)) |
開催概要
近年、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)に対する産業界の注目が集まっています。センサー・デバイスの低価格化や通信環境の高速化等の進展に伴い、IoTはシステムの最適化や効率化、またビッグデータやAI(人工知能)を用いて、新たな価値を創造するものとして様々な分野における取り込みが行われています。特に、物流分野においては、労働力不足等を反映して、輸送機器、インフラ、マネジメントなど、物流の各分野においてIoTの技術を取り入れる機運が高まっています。現状でも、物流の各分野において、効率化、最適化、安全性の向上、さらには環境対策等とIoTを積極的に活用する取り組みが行われているところですが、IoTの活用の潜在的な可能性は極めて幅広く、今後も様々な分野での利用が見込まれるところです。このような状況を踏まえ、物流分野におけるIoTの利用状況に係る最近の動向を紹介するとともに、今後の利活用について考察するため、国際セミナーを開催いたしました。
セミナーでは、まず、基調講演として東京大学の森川博之教授より「IoTの未来予想図」と題して、劇場、地域交通、玩具までと、如何に幅広い分野においてIoTが活用されているかの事例紹介とともに、IoTを導入する際には、強い思いやこだわりを持ち、リスクを恐れずに進めて行くことが重要との指摘がなされました。
ロールス・ロイス社のエサ・ヨキオイネン氏からは、船舶の自律航行(遠隔操作含む)の開発状況について、そのコンセプトと共に実際のモデルケースを用いた航行シミュレーションが示されるとともに、今後の実現に向けた課題として法整備等の必要性についても言及されました。
日本電気(NEC)の武藤裕美氏からは、ICT企業としての顔と製造業としての顔を持つNECがこれまで取り組んできたサプライチェーン改革の事例とIoT活用の取り組み、およびサプライチェーンを支えるIoT活用のソリューションについて、インドの海外展開等の実際の取り組み事例を交えながら講演を頂きました。
ハンブルグ港湾局(HPA)の、ベンヤミン・シャーフェンベルグ氏からは、ドイツ最大の港湾であるハンブルク港が、市街地と隣接している地理的条件により物理的に拡大できない中で、どのようにIoTを活用した効率化を実施しているのかについて説明が行われました。具体的には、港湾区域内での交通流量や工事状況の可視化、モバイルアプリを使用した交通制御などについて、多くのプロジェクト紹介が行われました。
Kiiの鈴木尚志氏からは、ハンブルク港における、船舶による大気汚染防止対策として、港湾地域での汚染物質の計測にIoTを用いた事例の紹介が行われました。
最後に、UPS社のクリス・ブオノ氏からは、米国で実施している、配送トラックに様々な計器を実装し、最適ルートや安全性向上に活用しているORIONプロジェクトや、本年2月に実施されたトラックとドローンを活用したテストの紹介がありました。
また、講演の最後には、質疑応答の時間が設けられ、積極的な意見交換が行われました。多数の皆様にご参加頂き、会場は満員となり、大変盛況なセミナーとなりました。
主な参加者
参加者数:360名
プログラム
開会挨拶 |
鷲頭 誠 |
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基調講演 |
森川 博之 |
講演1 |
エサ・ヨキオイネン |
講演2 |
武藤 裕美 |
講演3 |
ベンヤミン・シャーフェンベルグ |
講演4 |
鈴木 尚志 |
講演5 |