消費者行動分析に基づく観光活動促進施策に関する研究

  • 観光

研究期間:2009 - 2011

目的

観光活動に対する意識・態度を分析し,観光需要活性化施策について提言する。
1.公共機関からのデータに基づく観光の現状分析
2.個票データに基づく観光行動と意識の関連性の分析
3.観光行動と意識の変化に関する態度変容の要因・過程の分析

背景

わが国では、国民経済の発展、国民生活の安定向上及び国際相互理解の増進に寄与することを目的とし、観光立国推進基本法を始めとして、観光活動の促進が図られている。一方、観光離れの問題が指摘され、観光客の減少が深刻な問題となっている。たとえば、20~29歳の海外旅行者数は1996年の463万人から2006年には298万人にまで減少している。一つの理由は、現在の経済状態にあるだろう。しかしながら、余暇活動の参加人口推計の推移を見ると、「国内観光」、「ドライブ」等の観光・行楽系レジャーは減少傾向にあり、また、既存の調査から、観光そのものに対する興味関心が薄れているのではないかとのが指摘なされている。特に、若年世代が観光を行わない場合、高年齢の世代になったとしても観光を行わないという世代全体にわたる観光減少の問題が生じる可能性が高い。そこで、本研究では、特に若年層を対象とした観光場離れの原因とその解決策について分析を行う。

研究概要

1.公共機関からのデータに基づく観光の現状分析
1)現在の各世代が育った時代環境・生活価値観・行動に関する研究
時代背景・生活上の価値観、暮らし方などの分析事例のデータ化とレビュー
2)既存データに基づく観光活動の動向と分析
観光活動と地域差・人口分布・所得等の基礎データとの関連性に関する分析

2.個票データに基づく観光行動と意識の関連性の分析
1)観光体験と関与度
観光経験の有無、訪問地の内容に関する分析
2)観光地のタイプと観光活動意欲との関係
どのような観光地が選好され、観光を行う要因になるのか。
3)他財との比較から見た観光活動
他財との比較の観点から,観光活動の相対的な便益の位値付け
4)観光活動の阻害要因と観光ニーズの分析
観光活動を行わない/行えない要因とは何か、

3.観光行動と意識の変化に関する態度変容の要因・過程の分析
・「観光を行いたい」とするものは多いものの、行動に結びつかない。
・調査対象の中から、「定期的に観光を行うもの」、もしくは「観光を行うようになったもの」を対象とした態度変容過程の分析(共分散構造分析による観光活動決定経路の分析)

講演・発表

運輸総合研究所での発表

発表年月 講演イベント名 テーマ
2010.07 運輸政策コロキウム 「若年層の観光活動の減少要因に関する研究」
2011.07 研究報告会 「第29回 運輸政策研究所 研究報告会」