公共交通における津波対策の調査研究（東京大学地震研究所との共同研究）

研究期間：2010 - 2012

　東海地震、東南海・南海地震により発生する津波に備えるために、鉄道に焦点を当てて、公共防災関係者において、引続き行うべき対応と検討すべき課題を抽出し、関係者の間で議論を深めるために提起する。

　近い将来に発生が懸念されている、東海地震、東南海・南海地震では津波（以下「特定津波」と表記）が太平洋岸に到達することが予想されている（内閣府中央防災会議）。ただし、地震自体が想定されている最悪規模になるとは限らず、陸上側で感じる震度の程度や到達する津波の強度や広がりも様々な場合がありうる。
　そこで、これら地震が引起こす津波に備えるために、東京大学地震研究所堀宗朗教授研究室と共同で、2010年2月に発生したチリ地震津波を含め、鉄道を中心とした対応を調査し、安全性の確保と社会生活を支える公共交通サービスの維持（運行を抑止する場合も必要最小限に留め、迅速に再開させる）の両方の視点で、研究を行うこととした。
　2010年10月から調査を開始した。調査開始後に発生した2011年東北地方太平洋沖地震津波についても調査対象に追加した。

1．2010年チリ地震津波における対応の概況の確認 1-2．2011年東日本地震津波における対応の概況の確認 2．鉄道における内外の過去の津波被害の文献調査
3．津波予報の仕組みの確認及び東海地震と東南海・南海地震の比較
4．ハザードマップと低地の鉄道路線区間の比較 4-2．ハザードマップと鉄道被災状況（東日本地震津波）の比較
5．鉄道における津波対策に関する制度の調査整理 6．鉄道における津波対策の取組状況の把握 7．鉄道における津波対策を巡る課題の抽出 8．考察