国際交通フォーラム(ITF)交通大臣会合2024への参加報告

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日時 2024/5/22(水) 〜 24(金)

 2024年5月22日(水)~24日(金)に、国際交通フォーラム(International Transport Forum:ITF)交通大臣会合 2024が開催され、当研究所からは研究員1名が参加しました。
 ITFは、加盟66カ国の交通担当大臣、交通関連企業の代表、学識経験者等が集まり、世界全体にとって戦略的に重要なテーマを取り上げ、交通政策に関する方向性を打ち出す、OECD傘下の機関です。毎年5月、ドイツのライプチヒにて全加盟国による大臣級会合が開催されています。
 研究発表は、従来、直前の付帯行事として行われていましたが、去年から、各国政策当局も参加するよう、大臣会合に組込まれて行われることになりました。今回の大臣会合のテーマは、「交通グリーン化」であり、研究発表の3つのテーマは、「持続可能で包括的なアクセシビリティを実現する都市の形成」、「ゼロエミッション車の普及拡大に向けてギャップを埋める」及び「運輸部門における緩和と適応の計画」でした。

1.研究発表
 5月23日の研究セッション「ゼロエミッション車の普及拡大に向けてギャップを埋める」において、当研究所から応募・審査通過をした邱秉瑜研究員が、「電気自動車の充電:日本の国と地方の政策の事例研究」と題して発表しました。邱秉瑜研究員の個人研究を基に、日本における、国の電気自動車充電インフラ整備に関する基本戦略、国、東京都市圏における自治体及び事業者による取組状況、並びにこれらの各者から見た課題とそれを克服するための政策提言を発表しました。続く質疑では、邱秉瑜研究員が、日本は電気自動車の生産大国でありながら、所得水準に鑑みた電気自動車の購入価格及び充電価格が米国に比べて高いこともあり、保有されている乗用車に占める電気自動車の割合が米国等諸外国と比べて小さい旨を回答しました。

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(上2枚:発表・質疑対応をする邱研究員)


2.他のセッションの参加
 邱秉瑜研究員が、「持続可能で包括的なアクセシビリティを実現する都市の形成」をテーマとする研究セッション、自転車シェアリングと電動キックボードの安全性に関するセッション、交通グリーン化政策におけるデータサイエンスの応用に関するセッションに参加し、関連する最新の交通課題について情報収集を行い、世界各地域の研究者及び実務者とのネットワーキングに努めました。

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(持続可能で包括的なアクセシビリティを実現する都市の形成に関するセッションの発表者(右。ミュンヘン工科大学の研究員)と意見交換する邱研究員(左))