それでも私たちは進む「インバウンド観光 新マーケティング5.0戦略」
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第64回運輸政策セミナー「Nextインバウンド」シリーズVol.1(オンライン開催)
日時 | 2020/8/7(金)15:00 ~ 16:30 |
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開催回 | 第64回 |
テーマ・ プログラム |
それでも私たちは進む「インバウンド観光 新マーケティング5.0戦略」 |
講師 | 李容淑(Lee Yong sook) 観光庁Visit Japan大使 関西国際大学経営学部経営学科 教授(国際ツーリズム専攻) (株)リンカイ代表取締役社長 安倍総理内閣主催「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」委員等歴任 |
開催概要
「Nextインバウンド」シリーズは、観光庁の任命するVisit Japan大使の方々をはじめ、今後の観光戦略、施策についての示唆や手掛かりを与えていただける方々を順次お招きして、ご講演頂くシリーズです。
第1回目となる今回のセミナーでは、観光庁Visit Japan大使で、関西国際大学教授、(株)リンカイ代表取締役社長の李 容淑(Lee Yong sook)様をお招きし、今後のインバウンド観光の戦略について、豊富な事例を交えて、ご講演頂きました。
なお、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、オンラインにより開催しました。
プログラム
開会挨拶 |
宿利 正史 開会挨拶 |
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講 師 |
李容淑(Lee Yong sook) |
当日の結果
李教授から、『それでも私たちは進む「Nextインバウンド観光 新マーケティング5.0戦略」』というタイトルでご講演頂きました。ポイントは次のとおりです。
・ポスト・Withコロナにおける観光は①都会よりも地域主義になる、②AIや自動化も活用した管理された移動になる、③安全・安心への信頼感が重要な観光資源である、④持続可能な観光が求められると想定される。
・それを踏まえた対応策として、安全・安心の強化、地域らしさの追求、エキスパートの養成やDMOの強化、ビッグデータの活用、多言語機能の更なる強化等を行うことが効果的である。
・このため、これまで多くの外国人から高く評価されてきた数千年続く日本の継承精神をインバウンド観光に結び付け、匠たちの究極的な伝統技術と優れた日本の精密技術産業とを融合させ、新たな戦略として方向性を提示することが重要である。
・さらに、日本らしさの観点から地域の魅力を発掘し、Storytelling(物語性)の重要さを増大させ、新型コロナウィルスが観光産業の足かせになっている現在、日本人には見えない新しい見地から観光を創り出す、いわゆる新観光創造に取り組むべき時が到来している。
・その事例として、日本酒醸造、徳島県勝浦郡上勝町の葉っぱビジネス、外国人にとっての観光資源としての駅弁、観光列車「伊予灘ものがたり」等の事例を交えて、実際の体験を踏まえた気付きや分析を紹介。
後半の対談・質疑応答では、運輸総合研究所山内弘隆所長がモデレーターとなり、対談を行うとともに、視聴者からも質問を受け付けました。安全・安心を確保しながらの地域らしさのマーケティング、言語バリアへの対策、日本のおもてなしの世界での受け入れ方、その他さまざまな意見や質問が出るなど活発な議論がなされました。
初めてのライブ配信の開催であり、参加者同士の顔が見えない状況ではありましたが、大学等研究機関、国土交通省、地方自治体、観光・交通事業者、コンサルタントなど、250名を超える参加者があり、また、日本のみならず海外からの参加者もあり、盛会なセミナーとなりました。