「一帯一路」とユーラシア広域交易圏セミナー ~激動の国際社会の中、我々は、何をすべきか!?~
- 鉄道・TOD
- 海事・港湾
- 物流・ロジスティックス
主催 | 一般財団法人 運輸総合研究所 |
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日時 | 2019/6/24(月)15:00-18:30 |
会場・開催形式 | イイノホール&カンファレンスセンター ROOM A (東京) |
テーマ・ プログラム |
『「一帯一路」とユーラシア広域交易圏 セミナー』 ~ 激動の国際社会の中、我々は、何をすべきか!? ~ |
講師 | 基調講演:家田 仁 政策研究大学院教授、東京大学名誉教授 講演: 柴崎隆一 東京大学准教授 講演: 山口 修 日通総合研究所 |
開催概要
「一帯一路」構想の動向は、今後の我が国の行方に大きくかかわるものであり、またアジアからヨーロッパにかけ広範囲にわたり、物流やインフラ整備のあり方にも大きな変動をおこしています。他方、我が国において、「一帯一路」の全体像が必ずしも正確に把握されていないという現状も見られます。
我が国では、本年五月から元号が改まり、「令和」という新しい時代を迎えました。「令和」に込められた「美しい調和(beautiful harmony)」という我が国が誇る価値観への共感を呼び起こしつつ、世界の大きな流れを踏まえ、鳥瞰図的視野を持ち戦略を組み立てていく必要があります。
古来より、交通インフラや交通・物流は、経済的な機能のみならず、政治的、軍事的、地政学的にも極めて大きな意味を発揮してきました。我が国が、今後とも国際社会において確固たる地位を維持するには、世界を知り、己を知り、また相手を知ることが不可欠です。
このため、本セミナーでは、世界の物流拠点をつなぐ海と陸の交易を主なテーマとして、歴史的そして地政学的な視点も踏まえながら、大きな存在感を放つ「一帯一路」、そしてユーラシアランドブリッジを中心とした国際物流の全体像を、我が国が今後進むべき道とともに考察しました。
プログラム
開会 |
(司会) |
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会長挨拶 |
宿利 正史 開会挨拶 |
来賓挨拶 |
藤田 耕三 |
基調講演 |
家田 仁
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講演 |
柴崎 隆一 |
講演 |
山口 修 |
質疑 |
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当日の結果
基調講演として、政策研究大学院大学家田教授が『「一帯一路」をどう読み解くか? ~モンゴル帝国が築いた「寛容」なユーラシア広域交易圏を振り返りつつ~』をテーマに、大局的な観点から、ユーラシア広域交易圏について俯瞰をしました。
【家田教授による基調講演のポイント】
- 現代日本と中国
- 「一帯一路」への期待と懸念
- 現代中国はグローバルな「理念」を創出できるか?
- 求められる多角的な視点と総合的なアプローチ
- 中国にとって「一帯一路」の意味はどこにあるのか?
- 古代シルクロードと遊牧民・農耕民の共生性
- モンゴル帝国によるユーラシア広域交易圏の構築
- モンゴル帝国とイスラム
- 「寛容」なユーラシアは再構築できるか?
また、後半では、国際物流専門家の立場から、東京大学柴崎准教授が、「海」を切り口に、フィールドワークに基づく事例を交えながら講演しました。
【柴崎准教授による講演のポイント】
- 中国の一帯一路政策は急に出てきたものではなく、中国の改革開放以来の政策の延長線上にある
- アジアやアフリカなど各地の発展途上国は、一帯一路政策ブームを取り込んで,自国のインフラ整備や新しい輸送ルートを開拓しようとしている
- 日本を初めとする先進国の役割は?
続いて、日通総合研究所の山口Principal Consultantが、「陸」を切り口に、ユーラシア鉄道大陸における鉄道輸送の活用方策について、具体的な実例に基づきながら輸送会社として実務的な視点も踏まえて講演し、「一帯一路」の現状を客観的、体系的に解説しました。
【山口Principal Consultantによる講演のポイント】
ユーラシア大陸間輸送網の利活用の可能性
中国内陸部と欧州を結ぶ物流経路として、コスト、リードタイムの面から優位性あり
日本発着ではコスト、リードタイムの面で優位性が低い →欧州港湾から内陸国へのトランジットの発生する発着において優位性
日系企業が安心して大陸間鉄道を利用するには
日本発着の利用を考えた場合、必ず、国際海上輸送が発生する
海上輸送と鉄道輸送のつなぎが重要
→ 中露でのトランジット手続きの円滑化
→ SMGS約款と海上約款の基準統一
当日は、国土交通省藤田国土交通流審議官に来賓挨拶いただくとともに、国交省等政府機関、輸送関係者、大学関係者、地方自治体、報道機関など約223名の方に参加いただき、盛況なセミナーとなりました。