第24回 日中運輸経済技術交流会
- 国際活動
主催 | 一般財団法人運輸総合研究所 中華人民共和国国家発展改革委員会総合運輸研究所(ICT) |
---|---|
日時 | 2018/6/5(火)10:00~17:50 |
会場・開催形式 | 運輸総合研究所 (東京) |
開催回 | 第24回 |
開催概要
6月5日、運輸総合研究所において、第24回日中運輸経済技術交流会議を開催した。中国側は、国家発展改革委員会総合運輸研究所から吴副所長を含め6名が参加した。また、当研究所からは、山内所長、坪井企画室長、蔭山国際業務室長、五十嵐研究員、安部研究員、新倉研究員他が、国土交通省からは、磯野国際交通特別交渉官、露木国土交通政策研究所長他が出席した。
この会議は、1984年(昭和59年)以来、国家発展改革委員会総合運輸研究所と国土交通省・運輸総合研究所との間で、情報交換を目的として概ね毎年1回両国交互に開催している会議である。なお、中国側の国家発展改革委員会は、国家としての各種の計画の策定、大規模プロジェクトの許可を担当している中国の中核的な行政組織である。
両国の間では、様々なレベルでの交流が積み重ねられてきており、今年4月に日中ハイレベル経済対話が8年ぶりに開催された他、5月には李克強国務院総理が来日され日中首脳会談が開催される等、日中関係の新たな動きがある中での今回の開催となった。
本会議では、以下に示す3つの議題について意見交換を行い、示唆に富む議論を実施した。
- オリンピック・パラリンピック関連
中国側は2022年の冬季五輪における人流・物流を、日本側は2020年の夏季五輪を見据えた交通課題とその対策及び鉄道のバリアフリー整備にあたっての費用負担のあり方を発表した。
中国は、2022年の冬季五輪における重要事項として、「多様なニーズをカバーするための包括的な対応能力」、「関連インフラを総合的にプランニングして建設する」、「運営サービスの向上」、「ハイテク技術の活用」、「官民の積極的な協力」を挙げて、意義のある大会にしようという意気込みが感じられた。
また、中国側から、鉄道のバリアフリー整備に関する種々の質問があり、日本の交通弱者への取組が中国側の参考になったものと思われる。 - 自動運転関連
中国側は自動運転技術に係る現状及び課題を、日本側は自動運転サービスの実証実験と自動運転バス・タクシーの運行コストを発表した。
中国では、車両販売台数が年々急増している中、近年、政府を挙げて自動運転に注力しているとともに、自動運転の信頼性に係る指標、通信ネットワーク技術の適用、事故発生時の責任分担などが課題として示された。
また、中国側から、日本の「交通事故死0」の目標達成に関する質問があるなど、中国の道路交通事情がより複雑化している中で自動運転の導入により如何に事故軽減に繋げていくかについて中国側の参考になったものと考えられる。 - その他
中国側は、「一帯一路イニシアティブ」の交通・物流分野の状況を、日本側は、都市間交通の人流動の実態を発表した。
中国側より、一帯一路の中で行われている交通の連結や相互連結の進捗状況について説明があるとともに、非常に進んだ技術や豊富な経験を有する日本の協力により、今後の両国にとって物流・貿易・産業など様々な面で深い交流ができるのではないかとの提案があった。
また、日本側から発表のあった海外からの観光客等の流動状況に関する分析結果については、中国側から種々の質問があり関心の高さが伺えた。
今回の会議により、交通・物流・観光という側面で、両研究所間の交流が益々深められ、成功裏に終わった。
プログラム
開会挨拶(10:00~10:20) |
磯野正義 |
---|---|
議題1(10:20~12:00) |
オリンピック・パラリンピック関連
|
議題2(13:50~15:30) |
自動運転関連
|
議題3(15:40~17:20) |
その他
|
総括(17:20~17:50) |
吴 文化 |