日本人によるクルーズ振興に関する国際セミナー

  • 観光

Supported by 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION

主催 一般財団法人運輸総合研究所
日時 2016/11/30(水)14:00~18:00
会場・開催形式 ホテルメトロポリタンエドモント「悠久の間」 (東京(飯田橋))

開催概要

 クルーズ観光は、船上での豊かな経験とともに魅力ある観光地を訪れることが出来る極めてユニークな観光商品です。欧米等では利用者が急激に増加し、現在は世界で2,000万人を超える市場規模となっています。
 我が国でも、クルーズ船で来日する外国人客が増加しており、クルーズが話題となっていますが、実は、日本人のクルーズ人口はここ10年ほど低迷し続けています。
 当研究所では、米国、ドイツ等のクルーズ先進国を中心に調査を行い、その調査結果をもとに、どうすれば停滞している日本人のクルーズ観光を振興することができるか検討し、提言をまとめました。
 今般、当研究所で実施してきた調査報告及び提言を紹介するとともに、内外のクルーズ関係者を招き、日本人がさらにクルーズクルーズを楽しめるようにするには何が必要かなどについて検討するため、国際セミナーを開催いたしました。

 まず、当研究所の鷲頭誠が基調講演を行いました。講演では、最初に、クルーズ先進地域である、米国、ドイツ、豪州等の調査結果を紹介するとともに、我が国のクルーズ市場の現状分析と、これらの比較を説明しました。そして、今後、我が国がクルーズ観光を振興させるための提言について、寄港地・ルート作り等に関する基本方針と具体的な施策について説明を行いました。
ダグラス・ワード氏からは、世界のクルーズ市場の現状と、当研究所の報告書に対する意見を頂きました。特に、同氏は、クルーズのミシュラン本と呼ばれるクルーズ船の格付け本を長年出版しており、利用客の視点からの講演を頂きました。
 デイビッド・ゴーCLIAアジア事務局長からは、アジアにおけるクルーズ市場の現状について、豊富なデータとともに、クルーズ業界の視点から講演を頂きました。特に、日本でのクルーズ船の寄港数はアジアでは最も大きく、今後の伸びが期待できる等のご指摘を頂きました。
 沢登次彦じゃらんリサーチセンター長からは、我が国の宿泊旅行の現状に関する調査データの紹介とともに、魅力ある寄港地つくりの事例紹介として、地元の食材を使用したご当地グルメや、実際にそれを支えていくマネージメントの重要性についてご講演頂きました。併せて、若年層への働きかけとして、じゃらんが実施したスキーや釣りにおける取組である「マジ部」の紹介が行われました。

 最後に、高松正人JTB総合研究所常務取締役からは、旅行業界から見たクルーズ市場の現状の分析や、当研究所の提言を踏まえて、今後、クルーズ振興のために旅行業界が果たすべき役割について講演頂きました。特に、今後の取り組みとして、多様なクルーズ商品の品揃え、利用者へのクルーズ販売の動機付け、船会社との協力による商品開発について講演を頂きました。
 また、講演の最後には、質疑応答の時間が設けられ、積極的な意見交換が行われました。多数の皆様にご参加頂き、会場は満員となり、大変盛況なセミナーとなりました。

主な参加者

参加者数:206名

プログラム

開会挨拶

鷲頭 誠
運輸総合研究所 ワシントン国際問題研究所所長

基調講演

鷲頭 誠
運輸総合研究所 ワシントン国際問題研究所所長

講演資料

講演1

ダグラス・ワード
ベルリッツ社刊行「Cruising and Cruise Ships」著者

講演2

デイビッド・ゴー
CLIAアジア事務局長

講演資料

講演3

沢登次彦
(株)リクルートライフスタイルじゃらんリサーチセンターセンター長

講演資料

講演4

高松正人
(株)JTB総合研究所 常務取締役

講演資料

当日の結果

当日の様子を写真(pdfファイル)でご覧いただけます。