海運企業のCSR活動に関するセミナー

  • 海事・港湾

Supported by 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION

主催 日本財団、BIMCO、一般財団法人運輸政策研究機構 国際問題研究所(JITI)
後援 国土交通省、国際海事機関(IMO)、社団法人日本船主協会
日時 2012/4/26(木)14:00~18:00
会場・開催形式 シンガポール・マリーナマンダリンホテル内会議室(5階、Vanda Ballroom)

開催概要

 BIMCO/ISF Manpower 2010Update、JITI/NF report等近年実施された船員需給調査によると、今後の海上荷動き量の増加に伴い、将来の船員不足が懸念されている。その理由としては、若い人が船員を職業として選ぶことを嫌がる、陸上業務に移りたがるといったことが広く指摘されている。このような状態を放置すると、海運の円滑な活動に支障が生じ、世界経済に大きなダメージを与えることが懸念される。このような船員不足への懸念に対応していくためには、海運業界が長期的な視点に立って、他の業界より魅力的な産業とみなされるための競争に打ち勝って、若い船員を確保していく必要がある。そのためには、企業の社会的責任(CSR)に基づいた行動をとることにより、国際的な海運産業の地位を高め、優秀な人材が自発的に職を求めてくるよう、海運産業の質を高めていくことが根本的な問題解決となる。
  実際に海運企業がCSRについて検討する際には、CSRが何を意味しており、具体的に何をやっていけばよいかが鍵になるが、最近発行された国際的に統一された包括的なCSRの指針であるISO26000や海運産業の具体的なCSR実施の先例に学ぶことが有益である。特に、海運産業の場合は、元々ノウハウがあり、海の安全や環境といった産業基盤の改善にもつながる海事の分野に重点を置いてCSR活動を展開することが、より効果的な企業価値の向上につながると考えられる。
  そこで、このようなCSRに関する情報を海事社会において共有する場を提供するため、日本財団、BIMCO及びJITIは、世界の産官学のCSRの専門家を招へいして共同でセミナーを開催し、CSRが何を意味しており、具体的に何をやっていけばいいか、経営上のメリットは何か等について、具体的事例も交えながらご講演いただいた。また、講演後の質疑応答では、景気が変動する中でのCSRの実施に係る基本的な考え方や既存船に対する環境インセンティブスキームの適用の可否等について議論が行われた。

(注)CSR:Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)

主な参加者

参加者数:202名

プログラム

開会挨拶

公益財団法人 日本財団会長
笹川 陽平
当日資料

BIMCO会長
ユティシュティラ D. カタウ
当日資料
特別講演

国際海事機関(IMO)事務局長
関水康司

司会

ペトロメディア社アジア支部長
マーカス・ハンド氏

講演1

シンガポール海事港湾庁海運部長
チョン・ケン・スーン氏

「マリタイム・シンガポール・グリーン・イニシアティブ」

講演資料

講演2

カナダ・ブリティッシュコロンビア大学特別研究員
リンダ・コーディー氏

「包括的・世界的観点から見たCSRとその活動の概観」
講演資料
講演資料
講演3

BIMCOアジア連携担当官
トーマス・ティムレン氏

「マラッカ・シンガポール海峡におけるIMO協力メカニズム:環境保護と航行安全強化のための政府と産業界の協働」

講演資料

講演4

インド海運会社会長兼取締役
サビャサチ・ハジャラ氏

「CSRの事例紹介」

講演資料

講演5

(社)日本船主協会 副会長
五十嵐 誠

「CSRの事例紹介」

講演資料

閉会挨拶

一般財団法人運輸政策研究機構 国際問題研究所長
鷲頭 誠

講演資料

(注)BIMCO:ボルチック国際海運協議会

当日の結果

当日の様子を写真(pdfファイル:2.7MB)でご覧いただけます。