国際物流の構造変動に対応した港湾長期戦略の研究

  • 海事・港湾

研究期間:2009 - 2012

目的

本研究では、はじめに海外諸国における港湾物流ネットワークの態様と物流トータルコストの実態について、分析・把握する。また、東日本大震災における物流途絶の経験を踏まえ、過度に自動車に依存せず、安定的運用が可能で環境面でも良好なトリプル・トラック物流体制(トラック、船舶、鉄道)のあり方について考察する。更に、国際競争力を確保する観点から、国内輸送体系の効率化とコスト削減、広域連携、港湾背後地を結ぶ広域交通ネットワークの充実等の課題について分析し、政策提言を行うことを目的とする。

背景

経済構造の一層のグローバル化、地球温暖化問題への対応等、物流をめぐる環境には様々な変化が生じており、とりわけ平成20年秋以降の世界的な経済危機の影響を見極めつつ、これらの状況変化への迅速かつ適確な対応が求められている。
特に、海上物流については、従来よりアジア諸国の港湾との国際的な競争が激化しているほか、近年は資源・エネルギー・食糧等の国際バルク貨物の世界的な獲得競争が進展しており、これらの動向に対応するため、長期のビジョンに基づく戦略的対応が必要となる。
このような状況の中、国土交通省では、成長戦略会議の検討課題の一つである「海洋国家日本の復権」の一環として、我が国港湾の「選択と集中」による国際競争力強化について検討を行うこととしている。
以上を踏まえ、海外諸国の動向も見極めながら、長期的な視点からの港湾戦略の見直しとそれに係わる基礎的分析が必要となる。

研究概要

1.海外諸国における港湾運営態様と物流トータルコストの実態の状況分析
2.国際競争力を確保するための港湾長期戦略の分析
1)規制緩和等による内航海運の活性化やモーダルシフトの本格導入など、船舶・鉄道・トラックのトリプル・トラック物流体制からなる国内輸送体系の効率化と物流トータルコストの削減方策
2)港湾背後地を結ぶ広域交通ネットワークの戦略的整備推進方策
3)高効率化荷役機械の導入などによるマルチモード接続部分の改善方策
3.以上の分析結果を踏まえた政策提言

講演・発表

運輸総合研究所での発表

発表年月 講演イベント名 テーマ
2011.11 研究報告会 「第30回 運輸政策研究所 研究報告会」