貨物トラックの安全な運行環境に関する研究

  • 自動車、バス、タクシー、道路

研究期間:2011 - 2014

目的

多重下請構造や、荷主が提示する輸送条件の影響等に着目し、トラック運転者に過労運転をもたらす要因の解明を試み、安全施策を提案する。

背景

近年、交通事故が減少傾向にある中で、バスやトラック等が関与する重大な事故は依然として後を絶たない。特にトラックが関与する事故で過労や居眠り運転が原因の場合は重傷・死亡割合が30%と高い。トラック事業者の半数以上が保有車両10台未満の小規模事業者で、それらが下請・孫請けとして機能している。下請が多重化すると、下位の事業者は受注金額が安く十分な運行コストを賄うことができないこと等の理由で、安全管理が不徹底となると考えられ、これが安全運行を脅かす要因の一つとなっている。

研究概要

(1)既往研究整理、研究の枠組み整理
(2)トラック事故の特徴
(3)施策レビュー
(4)過労運転の要因
・要因の想定、 ・要因構造の解明、 ・要因の再整理と施策有効性の検証
(5)事例調査
・運送事業者の取組例(ヒアリング調査)
・韓国のトラック産業の施策例
・日本の建設産業の施策例
(6)安全施策のあり方検討

講演・発表

運輸総合研究所での発表

発表年月 講演イベント名 テーマ
2012.05 研究報告会 「第31回 運輸政策研究所 研究報告会」
2013.03 運輸政策コロキウム 「トラック運転者の安全な運行環境に関する研究」

研究成果の社会貢献

・国土交通省総合政策局物流政策課より、次期「物流施策大綱」検討の参考情報として研究内容の問合せをうけた(2012.2.20)
・交通新聞、カーゴニュースに第114回コロキウムの内容が記事掲載された(2013.4)
・輸送経済新聞社より「厚生労働省の荷役作業災害防止検討委員会」に関連し、建設産業の元請責任の法制度について取材を受けた(2013.1)
・カーゴニュースより取材を受け「トラック業界の多重下請構造の問題について」インタビュー記事として掲載された(2012.12.25)
・輸送経済新聞社より、トラック標準運賃の必要性や実勢運賃低下要因について取材を受け、輸送経済新聞に記事掲載された(2012.10.16)