第97回運輸政策セミナー
「地方都市の持続可能化・強靭化に貢献しうる鉄道の可能性と実現策」

  • 運輸政策セミナー

第97回運輸政策セミナー

Supported by 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION

日時 2026/10/16(金)14:00~16:30
会場・開催形式 運輸総合研究所2階会議室 (及びオンライン開催(Zoomウェビナー))
開催回 第97回
テーマ・
プログラム

【開会挨拶】  
宿利 正史  運輸総合研究所会長  

【来賓挨拶】
鶴田 浩久  国土交通省国土交通審議官

【講 演】  「地方都市の持続可能化・強靭化に貢献しうる鉄道の可能性と実現策」   
金山 洋一  富山大学学術研究都市デザイン学系特別研究教授
        都市政策支援ユニット鉄道再生・整備支援センター長           
       運輸総合研究所主席研究員・研究統括
       
【パネルディスカッション及び質疑応答】  

<モデレーター>
屋井 鉄雄  運輸総合研究所所長

<パネリスト> 
金山 洋一  富山大学学術研究都市デザイン学系特別研究教授
        都市政策支援ユニット鉄道再生・整備支援センター長           
       運輸総合研究所主席研究員・研究統括 


大森 宣暁  宇都宮大学地域デザイン科学部社会基盤デザイン学科教授
(オンライン参加)       

長戸 正二  四国旅客鉄道株式会社代表取締役専務鉄道事業本部長
         

       
【閉会挨拶】
屋井 鉄雄  運輸総合研究所所長


※会場参加につきましては、定員に達したため締め切りました。
オンライン視聴・報道取材につきましては引き続きお申込みを受け付けております。

開催概要

 我が国の鉄道は、大都市圏を中心に利便性は高いが、地方部では従来から、そして近年では人口減少も加わり減便や廃線が進んできている。なお、公有化等による存続もあるが課題も見られる。他方、欧州の都市では、総じて日本の地方都市程度の人口規模であるが鉄道の利便性は高く、経済も回っている。 
 本セミナーでは、講演者の一連の土木学会審査付き論文(公開)を基に、人口減少下の我が国において、地方都市の持続可能化・強靭化に貢献しうる鉄道の可能性と要件、及び鉄道事業者の魅力向上と持続可能化を実現する、官(都市側)も主導的役割を持つ制度の基本的考え方と実現方策を論じる。

主なSDGs関連項目

プレスリリース(2026年9月15日発表)
「地方都市の持続可能化・強靱化に貢献する鉄道の実現策について 最新の研究を基に議論を行います
 ~地方の鉄道のあり方や、鉄道事業者と都市を持続可能にする制度設計について、10月16日にセミナーを開催します~」

開催の背景・趣旨

  • 運輸総合研究所は、地方部の鉄道が本来の機能を果たし、都市の持続可能化・強靭化に貢献する存在となるための方策について議論を行うセミナーを開催します。
  • 地方部の鉄道においては、運行頻度等の利便性や、災害等の不測の事態に対応する強靭性に大きな課題がありますが、現在の仕組みでは課題解決が困難であり、公益性と効率性を両立させる新たな制度の設計が必要です。
  • 本セミナーでは、公的主体も一定の役割を担う「官民分担型上下分離」の基本的な考え方を踏まえながら、実務者も交えて最新の研究に基づく議論を行います。地方都市の鉄道のあり方や、担い手となる鉄道事業者の持続可能化を実現する、都市側も主導的役割を持つことができる制度の基本的考え方と実現方策について、検討を深めます。

背景と課題認識

 日本の鉄道は、民間等の鉄道事業者による経営を基本とする制度のもと、大都市圏を中心に高い利便性が確保されています。一方で地方部においては、まとまった需要が存在しない立地環境の中で、鉄道事業者が厳しい経営を続けてきましたが、人口減少の進行等でその限界が顕在化し、減便や路線廃止に至るケースも増えています。最近では、上下分離をはじめとする公的支援策により路線の存続が図られる例も見られるものの、運行頻度等の利便性には引き続き課題が残っており、持続可能化・強靭化を図る都市政策への貢献は限定的なものとなっています。
 また、近年激甚化・頻発化している自然災害により、特に地方部の鉄道においては、施設が大きな被害を受け、復旧に長期間を要した路線や、復旧が困難となり廃線に至った路線もみられます。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う行動変容による移動需要の大幅な減少も、鉄道事業の継続を一層困難なものとしました。このような自然災害や新型感染症等の不測の事態に対応し、サービスを維持・復旧するための強靱性の確保も重要な課題となっています。

開催要旨

 前述の通り、地方部の鉄道においては、運行頻度等の利便性向上や、サービスを維持・復旧する ための強靱性の確保に大きな課題があります。鉄道は、運行頻度や運賃等の面で一定のサービスレベルが提供されているときにこそ特性を発揮し、都市の維持や発展に効果をもたらす‟都市の装置“として機能しますが、鉄道事業者の自助努力だけではその実現は困難です。
 富山大学の金山洋一特別研究教授は、鉄道の建設・運営・保守等の実務経験から、利用者のニーズと提供するサービスとの乖離、サービスの課題を解決するための技術的施策、技術的施策に対する鉄道事業者のモチベーション、鉄道事業者がモチベーションを持ちやすい制度の設計といった観点で、長年研究を続けてきました。同氏の鉄道分野の官民分担論(上下分離)に関する東京大学の博士論文は、国土交通省がその考え方を骨格として採用し、都市鉄道等利便増進法として法制化したことでも知られています。
 本セミナーでは、地方都市の持続可能化・強靭化、住みやすさ等に貢献できる鉄道の役割と要件や、担い手となる鉄道事業者の持続可能化を実現する、都市側も主導的役割を持つことができる制度の基本的考え方と実現方策について、金山特別研究教授がこれまで発表した土木学会審査付き論文(下記参照)に基づいた講演を行い、最新の知見を提示するとともに、地方の鉄道とまちづくりを専門とする学識と鉄道運営に携わる実務者をパネリストに迎えて議論を深めます。

(参考)本テーマに関係する論文について
「都市政策に適う鉄道の整備・運営サービスを実現しうる官民分担型上下分離の考え方と可能性」
 土木学会論文集D3(土木計画学),Vol.76,No.5(土木計画学研究・論文集第38巻)
 
「官民分担型上下分離における地域鉄道事業者の運行継続性と経営健全性の確保等に関する研究」
 土木学会論文集D3(土木計画学),Vol.78,No.5(土木計画学研究・論文集第40巻)
 
「都市政策に寄与する強靭で持続可能な地域鉄道の整備・運営制度の研究」
 土木学会論文集,Vol.80,No.3

「公設公有民営型の鉄道整備・運営手法における組織形態の観点での公益性、効率性及び公平性の発揮要件に関する研究」
 土木計画学論文集D3(土木計画学)Vol.81,No.20

「地方部の鉄道の利便性を向上しうる鉄道に係る法制度のあり方の研究」
 土木計画学論文集D3(土木計画学)Vol.81,No.20


当日のプログラム