【運輸総合研究所 特別講演会】観光・ブランディングシンポジウム in 北海道 ~2030年に向け、北海道のミライを語る~

  • 観光

Supported by 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION

主催 一般財団法人 運輸総合研究所
後援 【協力】北海道運輸局、北海道開発局、北海道経済産業局、北海道、札幌市、北海道経済連合会、
    (一社)北海道商工会議所連合会、北海道経済同友会、(公社)北海道観光振興機構、
    (公財)札幌国際プラザ、北海道旅客鉄道株式会社
【後援】日本経済新聞社、北海道新聞社、時事通信社、観光経済新聞社
日時 2019/8/9(金)13:00~17:00
会場・開催形式 札幌グランドホテル グランドホール (北海道札幌市中央区北1条西4丁目 )
テーマ・
プログラム
観光・ブランディングシンポジウム in 北海道
~ 2030年に向け、北海道のミライを語る ~
講師 基調講演:
 「何故「いまさら”ブランディング”とは?」なのか?」
  並木 将人 株式会社インターブランド・ジャパン 代表取締役社長兼CEO

 「集客できるデスティネーションのためのブランディング とは - ディズニー・リゾートと海外DMOの事例をもとに -」
  山本 さとみ  株式会社ダブルシックス・マーケティング代表取締役、元オーランド観光局日本代表

パネルディスカッション:
 モデレーター:山内 弘隆 運輸総合研究所所長
 パネリスト :堰八 義博 公益財団法人北海道観光振興機構会長
        並木 将仁(上記)
        山本 さとみ(上記)

開催概要

 2020年に訪日外国人旅行者数を4,000万人、北海道は500万人と政府目標が掲げられ、インバウンドの拡大は、北海道の社会・経済にも大きなインパクトを与えています。
 今後、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会、2025年大阪・関西万博等が予定され、世界から日本への注目が集まるなか、ここ北海道でも、2019年9月にラグビーワールドカップ2019日本大会が札幌で、10月にはG20観光大臣会合が倶知安で開催が予定されています。また、欧米豪に訴求力のある体験型観光のメッカとなるべく、「アドベンチャートラベル世界サミット」の北海道誘致(2021年秋開催)にも力を注いでいるところです。
 さらに、2030年に向けて、北海道新幹線札幌延伸、冬季オリンピック・パラリンピック招致も盛り上がりを見せるなか、北海道の強みを最大限に活かしていくためにも、未来を見据えた観光戦略として、世界で通用するブランディングを行い、世界に発信していくことが重要です。
 北海道における観光が、一過性ではなく持続可能な形で繁栄するために、「世界に選ばれる観光デスティネーションとしてのブランド化」の重要性をテーマに、ブランディングの第一人者を講師に迎えて、世界最先端の動向を共有するとともに、観光やブランディングを通じた北海道の未来について展望しました。

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プログラム

開会挨拶
宿利 正史 <br> 一般財団法人運輸総合研究所 会長

宿利 正史 
 一般財団法人運輸総合研究所 会長


開会挨拶
来賓挨拶
鈴木 直道 <br> 北海道知事

鈴木 直道 
 北海道知事


来賓挨拶
来賓挨拶
大髙 豪太 <br> 北海道運輸局長

大髙 豪太 
 北海道運輸局長


来賓挨拶
来賓挨拶
堰八 義博<br> 公益財団法人北海道観光振興機構 会長

堰八 義博
 公益財団法人北海道観光振興機構 会長


来賓挨拶
講  師
講  演:『何故「いまさら”ブランディング”とは?」なのか?』<br><br>並木 将仁<br>株式会社インターブランドジャパン<br>代表取締役社長 兼 CEO

講  演:『何故「いまさら”ブランディング”とは?」なのか?』

並木 将仁
株式会社インターブランドジャパン
代表取締役社長 兼 CEO

講演者略歴
講演資料

講  師
講  演:『集客できるデスティネーションのためのブランディング とは<br />        -  ディズニー・リゾートと海外DMOの事例をもとに - 』<br /><br>山本 さとみ<br>ダブルシックスマーケティング株式会社 代表取締役 <br>東京成徳大学非常勤講師

講  演:『集客できるデスティネーションのためのブランディング とは
       - ディズニー・リゾートと海外DMOの事例をもとに - 』

山本 さとみ
ダブルシックスマーケティング株式会社 代表取締役 
東京成徳大学非常勤講師

講演者略歴
講演資料

   

パネルディスカッション

モデレーター
山内 弘隆<br>運輸総合研究所 所長<br>一橋大学大学院経営管理研究科特任教授

山内 弘隆
運輸総合研究所 所長
一橋大学大学院経営管理研究科特任教授

講演者略歴

パネリスト

堰八 義博(来賓挨拶)
 公益財団法人北海道観光振興機構 会長
 パネリスト略歴
並木 将仁(講演者)
 株式会社インターブランドジャパン
 代表取締役社長 兼 CEO
山本 さとみ(講演者)
 ダブルシックスマーケティング株式会社 代表取締役 
 東京成徳大学非常勤講師
閉会挨拶
佐藤 善信 <br> 一般財団法人運輸総合研究所 理事長

佐藤 善信 
 一般財団法人運輸総合研究所 理事長


閉会挨拶

当日の結果

 前半は基調講演であり、最初に、インターブランド・ジャパン並木社長から、『何故「いまさらブランディングとは?」なのか?』とのテーマで、ブランディングの基本について講義がなされました。


 ・ 「ブランド」とは、全ての接点と活動を通じて人々の頭の中に確立された確たる評判。皆がイメージを明確に思い浮かべられる限り、それはブランド。ブランドとは、常に変化する事業資産。
 ・

「プロミス(約束)を顧客視点でどう設定するか」かが一番重要。ブランドは、行動変容を起こす。例えば国で言えば、日本というブランドのイメージが明確にあると、「日本に行こう」、「投資しよう」という行動変容が引きおこされるが、日本という国は何を約束してくれるのかが明確にならない限り、抽象的なイメージで終わり、行動変容につながらない。
 ・ 「約束」を決めても、「体験」が伴わない限りブランドは実感できない。約束も重要だが、それをどういうふうに受け手に感じてもらえるか、これが実現できない限りは机上の空論に。 
 ・ 「何故ディスティネーションブランディングが必要なのか」については、例えば子供と引っ越すならどの国がいいかを、直感的に判断してもらうために、ディスティネーションブランディングが必要。
 ・

ディスティネーションブランディングでは、事業のブランディングのときに必要な3つの要素(ロゴ、実体験(その土地を訪問)、地域(地図的な知識))は、必ずしも必要ではない。例えばシリコンバレーは皆がイメージできるが、ロゴはない。ラスベガスのイメージは、実体験(訪問)していなくても皆浮かぶ。ガラパゴスは、どの場所にあるかは不明でも、イメージは皆浮かぶ。必要なのは「象徴的なストーリー」。
 ・ ディスティネーションブランディングでは、「実態を作ること」と「レピュテーション(評判)を作ること」の両方が大切。例えばアムステルダムでは、コーヒーショップといったイメージから、評判を変えたいため、アイコニックな「I AMSTERDAM」というサイネージを作り、レピュテーションを変革。

 続いて、株式会社ダブルシックス・マーケティングの山本さとみ代表から、『集客できるデスティネーションのためのブランディング とは ~ディズニー・リゾートと海外DMOの事例をもとに~』とのテーマで、海外の具体的事例をベースにした講演が行われました。

 ・ ディズニー・リゾートのブランド戦略を具体例として報告。
 ・

海外DMOたる各国政府観光局日本事務所の日本代表を務めたグアム、オーランド、アラスカのブランディングについて、デスティネーションの成熟度及び観光産業の需要度によりブランディングプロセスのどの部分に注力したのかをケーススタディーのスタイルで講義。
 ・ 米フロリダ州オーランド市: DMOの仕組み作りによる市民ディプロマシのブランディング。
 ・ 米アラスカ州:日本市場の新規開発の成功例(パートナー選び。オーロラを活用し、JALと共同プロモーション等)。
 ・ 米グアム:コミュニケーション(広告、宣伝)重視のPR

 後半はパネルディスカッションが開催されました。運輸総合研究所の山内所長がモデレーターとなり、並木講師、山本講師とともに、地元代表として、北海道観光振興機構の堰八会長が登壇しました。

 パネルディスカッションは、以下をトピックとして、モデレーターとパネリストとの間で活発なやり取りが展開されました。



北海道におけるブランディングの必要性(北海道において、また観光分野において、なぜブランディングは必要なのか。観光地ブランディングと、モノのブランディングとの違い等)


世界レベルのDMOとなるためにすべきこと(世界レベルでのDMOとなるための具体的な方策(組織体制、人材、財源、KPI)、海外DMO等におけるKPI(業績評価指標Key Performance Indicator)の実態、活用法。住民の参加意識向上「シティプライド」の方策等)


結論(国際競争力があり、持続的な「北海道ブランド」とは。地域、企業、住民全体も賛同できるブランディングを推進するにはどうすべきか。令和2年道内7空港一括運営委託化を踏まえたブランディングの役割等)

 当日は、大学等研究機関、北海道運輸局・開発局、地方公共団体、観光DMO、観光/交通事業者、コンサルタントなどから300名を超える参加者があり、盛会なシンポジウムとなりました。

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