デザインと交通運輸・経営マネジメント
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第63回運輸政策セミナー
日時 | 2019/10/30(水)16:00~18:00 |
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会場・開催形式 | 運輸総合研究所 (東京) |
開催回 | 第63回 |
テーマ・ プログラム |
デザインと交通運輸・経営マネジメント |
講師 | 「デザイン経営の必要性」 鷲田 祐一(一橋大学大学院経営管理研究科経営管理専攻教授) 「交通環境とデザイン経営」 田中 一雄(株式会社GKデザイン機構 代表取締役社長CEO/公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会理事長) |
開催概要
今回のセミナーでは、交通運輸分野におけるデザインについて、一橋大学大学院鷲田教授よりデザインと経営やマーケティング戦略について、GKデザイン機構田中代表取締役社長CEOより新しい交通環境のデザインについて豊富な事例にもとづきご講演いただきました。
プログラム
会長挨拶 |
宿利 正史 |
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所長挨拶 |
山内 弘隆 |
講 師 | |
講 師 | |
質 疑 |
|
閉会挨拶 |
佐藤 善信 |
当日の結果
当日のセミナーでは、鷲田講師より『デザイン経営の必要性』をテーマに講演が行われました。ポイントは次のとおりです。
・普段使われていいるデザインという言葉は、「狭義のデザイン(意匠、ユーザーインターフェイス等)」の意味合いが強いが、デザインには、「広義のデザイン(ユーザー体験、製品/サービス全体)」、「経営のデザイン(ビジネスモデル、エコシステム)」ともっと広範囲である。
・デザインの定義が広い企業の方が、営業利益が高い傾向や、デザイナーへのマネジメント力への期待が大きい。日本で、「デザイナー」が考えた「イノベーション」は実現しにくいのは、経営者がデザインのことをコスト削減の対象と考えているからである。
・実際、情報産業市場における最大の伸びしろである「インターネット付随サービス」では、顧客接点を「デザイン」する能力が期待され、それは欧米や中国ではデザイン人材が担っている。日本だけが、デザイン人材と情報技術人材がほとんど融合していない
・経営の最上流工程での「デザイン」とは、単なる色やカタチという意味ではなく、「社会の中で何がどのように必要とされているのか」を見抜く洞察力であり、それが、後に強力なネットワーク効果を発揮する源泉となっている。
・「デザイナー」は、演繹(deduction)ではない方法で、「ある1つの解」を人より先に見つけ出す力が強いといわれる。それは帰納的な探索(induction)と、演繹的な思考の融合物(abduction)である。
続いて、田中講師より、『交通環境とデザイン経営』をテーマに講演が行われました。ポイントは次のとおりです。
・今日の“デザイン”に対する多様な認識は、20世紀型の狭義のデザインから21世紀型の広義のデザインがある。
・「デザイン経営」の効果は、ブランド力向上+イノベーション力向上であり、それは企業競争力の向上である。運輸部門においては「路線ブランド創造」と「顧客体験創造」である。
・デザイン思考とは、「観察力」⇒「問題発見力」⇒「発想力」⇒「視覚化力(認識の共有化)」の『発想プロセス』であり、個性のある造形など「造形力」は『クラシックデザイン』である。これら「観察力」から「造形力」までを含めたのが経営デザインである。
・具体的な事例として、鉄道車両の事例やトータルデザインを行った富山ライトレール、船舶の事例として新造船シーパセオなどのデザインの有用性が示された。
後半の質疑では、デザインの定量的な評価やデザイン分野の人材育成など、さまざまな意見や質問が出るなど活発な議論がなされました。
当日は、大学等研究機関、国土交通省、交通事業者、コンサルタント、メーカーなどから90名を超える参加者があり、盛会なセミナーとなりました。
・普段使われていいるデザインという言葉は、「狭義のデザイン(意匠、ユーザーインターフェイス等)」の意味合いが強いが、デザインには、「広義のデザイン(ユーザー体験、製品/サービス全体)」、「経営のデザイン(ビジネスモデル、エコシステム)」ともっと広範囲である。
・デザインの定義が広い企業の方が、営業利益が高い傾向や、デザイナーへのマネジメント力への期待が大きい。日本で、「デザイナー」が考えた「イノベーション」は実現しにくいのは、経営者がデザインのことをコスト削減の対象と考えているからである。
・実際、情報産業市場における最大の伸びしろである「インターネット付随サービス」では、顧客接点を「デザイン」する能力が期待され、それは欧米や中国ではデザイン人材が担っている。日本だけが、デザイン人材と情報技術人材がほとんど融合していない
・経営の最上流工程での「デザイン」とは、単なる色やカタチという意味ではなく、「社会の中で何がどのように必要とされているのか」を見抜く洞察力であり、それが、後に強力なネットワーク効果を発揮する源泉となっている。
・「デザイナー」は、演繹(deduction)ではない方法で、「ある1つの解」を人より先に見つけ出す力が強いといわれる。それは帰納的な探索(induction)と、演繹的な思考の融合物(abduction)である。
続いて、田中講師より、『交通環境とデザイン経営』をテーマに講演が行われました。ポイントは次のとおりです。
・今日の“デザイン”に対する多様な認識は、20世紀型の狭義のデザインから21世紀型の広義のデザインがある。
・「デザイン経営」の効果は、ブランド力向上+イノベーション力向上であり、それは企業競争力の向上である。運輸部門においては「路線ブランド創造」と「顧客体験創造」である。
・デザイン思考とは、「観察力」⇒「問題発見力」⇒「発想力」⇒「視覚化力(認識の共有化)」の『発想プロセス』であり、個性のある造形など「造形力」は『クラシックデザイン』である。これら「観察力」から「造形力」までを含めたのが経営デザインである。
・具体的な事例として、鉄道車両の事例やトータルデザインを行った富山ライトレール、船舶の事例として新造船シーパセオなどのデザインの有用性が示された。
後半の質疑では、デザインの定量的な評価やデザイン分野の人材育成など、さまざまな意見や質問が出るなど活発な議論がなされました。
当日は、大学等研究機関、国土交通省、交通事業者、コンサルタント、メーカーなどから90名を超える参加者があり、盛会なセミナーとなりました。