米国の都市間旅客鉄道をめぐる動向
- 運輸政策コロキウム
- 鉄道・TOD
第129回運輸政策コロキウム ~ワシントンレポートⅡ~
日時 | 2019/6/13(木)18:00~20:00 |
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会場・開催形式 | 運輸総合研究所会議室 (東京都港区虎ノ門) |
開催回 | 第129回 |
テーマ・ プログラム |
米国の都市間旅客鉄道をめぐる動向 |
講師 | 沖本 俊太朗 (ワシントン国際問題研究所研究員) |
コメンテータ | 金山 洋一 (富山大学都市デザイン学部教授) |
開催概要
本講演では、米国は、1869年の大陸横断鉄道の完成の頃まで鉄道の整備が速やかに進められたものの、急速な州際国防高速道路の整備やジェット機の就航の一方で都市間高速鉄道の整備が進まず、旅客輸送における鉄道の存在感が小さくなってしまったこと、また都市間高速鉄道の検討は一貫して州が主体となっており、連邦は州の支援にとどまってきたことなどが、日本の事例と比較しながら示されました。
現状米国で唯一の高速鉄道であるアセラ特急の状況、その背景にあるアムトラック社の経営状況の分析も紹介されました。その上で、カリフォルニア、フロリダ、テキサス、北東回廊のそれぞれのプロジェクトの最新状況や直面している課題を踏まえ、鉄道整備プロジェクトにおいては、設備建設コストの上昇リスク、建設後の営業リスクの2つのリスクを誰がどのように分担するかという課題があり、様々な方策を用いてそれを適切に分担することがプロジェクトの進捗につながるのではないかという提言がなされました。
また、米国の各プロジェクトにおけるまちづくりとの連携や二次交通との接続などの事例についても紹介がされました。コメンテータからは、講演内容が多岐にわたり良くまとめられていると評価の上で、貨物鉄道を含めた米国の鉄道の現状に関する補足説明、その背景にある米国全体の状況、また、鉄道プロジェクトを進めていく際に肝要なリスク管理の問題とその対応方策に関する指摘などがありました。
質疑では、米国の都市間高速鉄道プロジェクトが直面している課題、我が国の鉄道技術の相対的な強み、また我が国のインフラ海外展開を今後一層進めていくに際しての課題などに関して活発な議論がなされました。
当日は、学術関係者、国土交通省、鉄道関係者、運輸交通関係団体、コンサルタント、メーカー、商社、デベロッパー、報道関係者など100名を超える参加者があり、盛会なコロキウムとなりました。
プログラム
会長挨拶 |
宿利 正史 |
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講師 | |
コメンテータ | |
質疑 |
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