アメリカ航空産業の現状と今後の展望 ~オープンスカイ政策の今後の課題と展望~
- 航空・空港
航空セミナー
主催 | (一財)運輸政策研究機構国際問題研究所 航空政策研究会 |
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日時 | 2015/11/17(火)18:30~20:30 |
会場・開催形式 | 航空会館 7階 大ホール (東京) |
開催概要
1990年代前半に米国が打ち出したオープンスカイ政策は、この20年余りの間に全世界に広がり、アメリカとオープンスカイを締結した国は7月現在で118か国になりました。日米間では長きにわたる交渉を経て、2010年にオープンスカイ協定が締結されました。
オープンスカイ政策の展開により、路線、輸送力、運賃等を航空企業が自由に決定することができることになり、より安価で利便性が高く効率的な航空サービスが提供され、人とモノの往来が増加し経済活動が活性化されるなど大きな効果がもたらされてきました。
一方、米国は、オープンスカイ協定の締結と同時に独禁法で規制されている事業提携を承認したことから、巨大なアライアンスが誕生し、市場の寡占化が生じています。
研究報告では、こうしたオープンスカイによる効果を報告し、以下の課題を提示しました。
- 競争抑制的な側面もある巨大アライアンスと、オープンスカイの本来的な目的である競争促進という方向性をどのように一致させていくべきか。
- 大規模ハブ空港と中小ハブ空港、非ハブ空港との格差にどのように対処するべきか。
- 米中間のオープンスカイ協定締結に向けた動きを注視する必要がある一方で、豊富な資金力を有し急成長する中東企業にどのように対処するべきか。
- 米国LCCが国際線に進出していく中で、混雑空港の発着枠不足に対応するための公平なルール作りが必要なのではないか。
また、パネルディスカッションでは、
- 空港が立地する都市・国の活力を高めるためにも自由化の流れを推進する必要がある。
- 自由化後も勝ち残れるよう、航空企業は更に効率化し、経営体力を強化する必要がある。
- いわゆる「以遠権」について制限を設定している成田空港の扱いを含め、我が国の今後の自由化のあり方を戦略的に議論する必要がある。
など、多様な論点について議論が展開されました。
主な参加者
参加者数:190名
プログラム
第一部:研究報告 |
小林 太郎 |
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第二部:パネルディスカッション |
モデレーター
山内 弘隆 一橋大学大学院商学研究科 教授 パネリスト 松本 秀暢 神戸大学大学院海事科学研究科 准教授 三好 千景 英国クランフィールド大学大学院工学部 エアトランスポートマネージメントセンター 准教授 小林 太郎 国際問題研究所 在ワシントン研究室 次長 |
当日の結果
当日の様子を写真(pdfファイル)でご覧いただけます。