2026年 年頭のご挨拶

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。皆様におかれましては、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
旧年中は、運輸総合研究所の活動に対しまして、温かいご支援、ご協力を賜りましたことに厚く御礼申し上げます。
昨年は、米国のトランプ大統領の言動に世界が一喜一憂する1年でした。加えて、米中の構造的な対立、ロシアとウクライナの戦争、イスラエルとパレスチナの紛争、タイとカンボジアの衝突等々不安定で不確実な国際情勢が続いています。
このように混迷する世界の厳しい現実が白日の下にさらされる中で、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的な価値を共有する国家間の多重的な連携がますます重要となっています。
当研究所においては、海外拠点である米国のワシントン国際問題研究所(JITTI USA)及びタイ王国のアセアン・インド地域事務所(AIRO)との連携の下、北米から東南アジア・南アジアに至る広範な地域を対象に、最新の交通運輸・観光に関する調査研究、諸外国との連携の強化に取り組んできました。
特に近年、経済成長が著しく、国際社会における存在感を一層高めているインドは、交通運輸・観光分野における重要なパートナーとして、日印間の協力・連携の必要性がますます増大しています。また、日米同盟を基軸として、造船や海運を含め、経済、貿易、経済安全保障、安全保障などの分野で政策転換が進められています。
当研究所では、最新の交通運輸・観光に関する情報や動向を多角的に調査・分析するとともに、蓄積した情報や知見、経験などの共有、情報提供、啓発活動などを通じ、日本と諸外国の交通運輸・観光の持続的発展、連携の強化を図ってまいります。特に、これらの国際的な活動については、「自由で開かれたインド太平洋」の推進のために交通運輸・観光が果たすべき役割を常に意識して、広域的かつ戦略的に進めていきます。
他方、日本国内では、深刻な労働力不足、頻発する自然災害、一層高まる地政学リスクなどを背景に、交通運輸・観光産業の革新、DXの展開、脱炭素化(GX)の加速、造船や海運などのサプライチェーンの強靭化や経済安全保障の強化、多層的な人的交流の推進などが待ったなしの状況です。
これらの課題に対する取り組みについては、中長期的な視点に立ちつつ、国際的な知見を活かし、また、欧州の政策を含め国際的な動向を見極めながら、確固たる信念に基づいて進めていかなければならないと考えています。
以上のような認識の下、当研究所では、今年1年、「世の中の役に立つ」、「使いものになる」成果を上げることを目指して、より一層皆様との交流・連携を深め、研究調査、セミナー・シンポジウム、コンサルティング等の活動に取り組んでまいります。
最後になりましたが、当研究所の活動に多大なご理解とご支援をいただいております日本財団に深く感謝申し上げますとともに、賛助会員をはじめ当研究所の活動にご協力いただいております皆様に厚く御礼申し上げます。
新年を迎え、当研究所の役職員・研究員一同、心を新たにし、精一杯努力してまいる所存でございます。皆様におかれましては、本年も引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
一般財団法人 運輸総合研究所
会長 宿利正史


