会長挨拶

~アセアン・インド地域事務所開設に当たって~

宿利会長
運輸総合研究所
会長 宿利 正史
(元国土交通事務次官)
運輸総合研究所では、2021年4月1日付でアセアン・インド地域事務所をタイ王国バンコクに開設いたしました。ここに至るまで、新型コロナウイルス感染症に伴う渡航制限などによる当初スケジュールからの遅れもありましたが、様々な苦労を乗り越えて、ついに開設の日を迎えることができました。開設に向け様々なご支援・ご協力をいただきました、日本財団をはじめ国土交通省、外務省など関係機関の方々、そして設置許可を下さったタイ王国政府など、全ての皆さまに厚く御礼申し上げます。

当研究所における2か所目の海外拠点となるアセアン・インド地域事務所は、英語のASEAN-India Regional Officeの頭文字を取ってAIRO(アイロ)という略称で呼んでいます。AIROの活動対象エリアとなる東南・南アジアは、日本にとって最も関係が深く重要な地域の一つであり、我々運輸総合研究所としても従前から、これらの地域及び地域の皆様とともに種々の活動を行ってまいりました。AIROは、東南・南アジアにおいて交通運輸政策及び観光政策の策定に資する研究調査や情報収集を行うとともに、セミナー・シンポジウム等の開催を通じて、東南・南アジアの政府・学界・実務者等への有益な情報発信及びこれら関係者との信頼に基づいた協力関係の構築を行っていくこととしています。

AIROでは、東南・南アジア諸国のニーズを踏まえたこれらのきめ細かい活動を通じ、「世の中の役に立つ」、「使い物になる」貢献を行うことに取り組んでまいります。このため、東京の本部とAIRO及びワシントン国際問題研究所(JITTI USA:1990年設置)という2つの海外拠点が一体となって、東南・南アジア、日本及び北米を俯瞰した広域的かつ戦略的な視点に立脚し、国際的な研究調査・情報発信をはじめとする国際的な貢献・連携を充実・強化してまいります。

AIROは、東南・南アジア諸国と日本の運輸交通分野・観光分野における結びつきをより緊密かつ強固なものとしていく上で重要な役割を果たすものと確信しております。歩み始めたAIROへの皆さまからの温かいご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。