交通産業GXロードマップに関する調査研究

  • 安全・セキュリティ・防災・環境

研究概要

 交通分野は我が国のCO2排出量の約2割を占めるが、トラック、船舶、航空機などは脱炭素化の技術的ハードルが高いモードもあり、いわゆる「Hard to abate」なセクターである。2030年前後を目標として各交通モードにおける電化や水素燃料、バイオ燃料、合成燃料といった様々な代替燃料を候補とする技術開発の取組が進められているが、それ以降2050年に至る方向性や普及の見通しは未だ見えていない。機器・燃料の供給や高コストに対する懸念に加え、中小・零細事業者が多くを占める業界構造もあって、交通産業側としては受け身の姿勢が見える状況。また、各交通モードが其々に描くカーボンニュートラル化の姿が相互にどのように作用・反作用するのかも見通せておらず、交通分野全体のグリーントランジション(GX)のための共通の戦略が見えていない。
 経済成長との両輪で戦略的に脱炭素を推進するEUをはじめとする諸外国に対して、統合的な戦略を欠如したままでは、交通業界の脱炭素の方向性が定まらず、国際競争力を失ってしまうおそれがある。受け身の姿勢でなく、日本の産業やエネルギーの構造、再生可能エネルギーへの地形的な適性などの環境を踏まえた取り組みを進めることで、日本の交通が環境面で世界をリードし、日本の経済成長につなげることが重要。交通機関の設備更新やインフラ整備などを考えれば、2050年までに残された時間は決して長くはない。
 こうした問題意識の下、山内弘隆 武蔵野大学特任教授/一橋大学名誉教授を座長とする「交通産業GXロードマップ検討委員会」を設置し、さらに、より具体的なシナリオの条件設定等については、同委員会の下に設置した、大聖泰弘 早稲田大学理工学術院名誉教授を座長とする「交通産業GXロードマップ検討会シナリオWG」において検討の上、交通モード横断的に輸送需要や脱炭素技術の変化、カーボンプライシング等といった観点から複数のシナリオを作成して、交通産業のGXに必要な条件、課題、影響の分析を行い、交通産業のGX(グリーントランジション)の将来道筋、ロードマップと方策について調査研究を進めている。


1.成果


2023年度の調査研究結果について中間報告としてとりまとめました。
・交通モード横断のシナリオ分析によるCO2削減量と脱炭素コストの見通しについて エグゼクティブサマリー  


2.調査検討委員会の開催状況


2023/12/20 「交通産業GX ロードマップ検討会」<第1回>を開催しました

       【議事次第
         ・1.開会
         ・2.議事
          (1)調査研究事業の概要について
          (2)今年度の調査研究内容(CO 2 排出量見通しの検討及び影響分析の進め方)について
          (3)その他
         ・3.閉会
       【委員名簿


2024/01/17 「交通産業GX ロードマップ検討会 シナリオWG」<第1回>を開催しました

       【議事次第
         ・1.開会
         ・2.議事
          (1)ワーキンググループの検討の進め方について
          (2)長期輸送需要の想定について
          (3)交通脱炭素技術導入等のシナリオの設定について
          (4)その他
         ・3.閉会
       【委員名簿

2024/02/16 「交通産業GX ロードマップ検討会 シナリオWG」<第2回>を開催しました

       【議事次第
         ・1.開会
         ・2.議事
          (1)ワーキンググループの検討の進め方について
          (2)長期輸送需要の想定について
          (3)交通脱炭素技術導入等のシナリオの設定について
          (4)CO2排出量及び脱炭素コストの試算結果について
          (5)その他
         ・3.閉会
       【委員名簿

2024/02/29 「交通産業GX ロードマップ検討会 シナリオWG」<第3回>を開催しました

       【議事次第
         ・1.開会
         ・2.議事
          (1)ワーキンググループの検討結果の取りまとめについて
          (2)その他
         ・3.閉会
       【委員名簿

2024/03/21 「交通産業GX ロードマップ検討会」<第2回>を開催しました

       【議事次第
         ・1.開会
         ・2.議事
          (1)WGの報告及び令和5年度の調査研究成果のとりまとめについて
          (2)令和6年度の調査研究計画について
          (3)その他
         ・3.閉会
       【委員名簿